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どうも広報担当Yです(^o^)丿
今回は犬の神話について深堀してみましょう。
それはまだ人が世界の仕組みを知らなかった頃。
雷は神の怒りで、日食は怪物の仕業だと語られていた頃。
人は恐れを抱えながら火を囲み
そのすぐそばに、一匹の犬が座っていた。
その犬は、ただの犬ではなかった。
吠えることもある。戦うこともある。
だが多くは、ただ寄り添う。
第一章 白き導き手
山で道に迷った若き英雄がいた。
名を、ヤマトタケルという。
霧が立ちこめ、木々は同じ顔をしていた。
進みべき道も、帰るべき道も分からない。
そのとき、白い影が現れる。
それは人を襲う牙ではなく、振り返るまなざしを持っていた。
日本では山犬とも呼ばれるオオカミは
ただ前を歩き、振り返り、また歩いた。
言葉はなかった。
けれど英雄は理解した。
「ついてこい」と。
山と人のあいだ。その境界に立つ者は、吠えずに導く。
第二章 三つの瞳の番人
遠い西の国。
そこには、生と死の門があった。
門を守るのは、三つの頭を持つ犬。
名を、ケルベロスという。
恐ろしい姿に描かれることが多い。
けれど彼の役目は、ただ一つ。
「秩序を守ること」
死者を外に出さず、生者を迷い込ませない。
それは残酷なんかではなく
世界が崩れないための静かな責任だった。
境界に立つ者は、時に恐れられる。
第三章 魂の重さ
砂の国では、黒い犬の姿をした神が天秤を持つ。
名はアヌビス。
人が最後に量られるのは、名誉でも財産でもない。
胸の奥にしまってきた、重さである。
黒い横顔の神は何も語らず、ただ天秤を見る。
嘘も、後悔も、愛も、すべてが詰まった重み。
神はじっと見つめる。
責めることはなく、慰めることもなく。
ただ量る。
真実は軽いのか。
それとも重いのか。
境界に立つ者は、最後の沈黙を引き受ける。
終章 あなたの足もと
山にも、冥界にも、天にも
犬は境界に立っていた。
導き、拒み、量る。
玄関であなたを待つ一匹も
小さな境界の守り手なのかもしれない。
外の世界と、あなたの帰る場所のあいだ。
そのあいだに座り、何も言わず、ただ待つ。
尻尾をゆっくり振りながら、世界が静かであることを。
